再独身生活エンジョイ中

離婚後に自由に生きる姿の記録

携帯電話料金は4割も下がるのか?

今年の8月、菅官房長官が携帯電話料金は海外に比べて高く、4割程度下げられる余地があるとおっしゃいました。

www.sankei.com

www.sankei.com

 

私はだからといって、今のサービスを維持したまま携帯電話料金を下げるのは難しいと考えています。

 

理由その1:ショップ店員の給与はどこから出ているのか?

大手キャリアの場合○○ショップという名の販売代理店があります。

そこでは端末を買った後、設定変更や契約内容変更をするにあたり、ほぼ無料で手続きをしてくれます(契約手数料が2,000円程度かかる場合もありますが、それはオンライン変更時にもかかるため、店舗側の収入というよりキャリアの収入と思われます)。

労働者が働いたのにお店にお金が入らない。

かといって労働者にタダ働きさせることはありえない。

その業界で働いたことも無ければ取材したこともないので予想になりますが、ショップの収入は

端末の仕入れ値と売値の差額

携帯グッズの仕入れ値と売値の差額

キャリアからの販売奨励金(回線数維持報酬?)

で成り立っていると思われ、このうちキャリアからの販売奨励金の出所はどこかといえば、我々が払っている通信料が原資ではないかと疑われます。

設定変更や契約内容変更を無料で行うことを維持していくとなると、そのための人件費を通信料に上乗せしていると考えるのが自然で、通信料からその上乗せをなくすとなると、ショップでの取り扱いにいちいち手数料がかかるようにするしか方法はなさそうです。

 

 

理由その2:田舎の通信維持費は誰が払うのか

私はかつてソフトバンクiPhoneを使っていました。

当時のソフトバンクSMAPをCMに起用して「つながる」を連呼したり、日経トレンディのような広告かレビューかわからない雑誌でも「○○駅で調査」などという繋がることを強調する記事を書かせていました。

しかし私は当時、市町村合併後にやっと人口5万人になるような郡部で仕事をしており、市街地からちょっとでも外れると圏外になって使えないという目に遭っていました。

それではちょっと困るのでその後4年程度、私はドコモにお世話になっていました。

ソフトバンクは確かに人が集まる都会ではつながったのかもしれませんが、郡部では全く役に立たないシロモノ(当時)で、「儲かる都会にだけ投資して儲からない田舎を切り捨てていれば、そりゃ通信料を安くできるさ」と立腹した覚えがあります。

鉄道では営業係数という言葉があり、100円の収入のためにいくらの費用がかかるのかという数値があります。

鉄道とは違い、携帯電話は移動するため同じ考え方が妥当でない場合もありますが、例えば冬場にしか人が来ない田舎のスキー場をカバーする基地局は、春夏にもコストが発生するわけで、山手線沿線のようなコストに見合った利用がある地域とは事情が異なります。

そういう田舎でも「いつでも使える」ために設備を維持するとなると通信費が高くなるのも仕方のないことです。

携帯電話はインフラだからこそ公共の電波を独占使用させてもらえているという側面がありますが、インフラだからこそ赤字地域にもコストをかけ続けなければならない事情があります。

 

 

理由その3:利益がどこに消えているのか

紹介した2つめの記事では「全業種平均の利益が6%なのに携帯事業者が20%のはおかしい」と菅官房長官が言ったとのこと。

じゃあその利益はどこに消えているのかという話です。

私は経済も簿記も学んだことがないので正確に論ずることはできませんが、利益が高いのであるならば、それが

役員報酬

従業員の給料

株主への配当

のどれかへ消えていかなければ企業の貯金(または土地など資産)が増え続けることになります。

その辺りの分析や議論がされていないか、されていても新聞記事にならない(携帯事業者も広告主のため、その記事が事業者に都合悪ければ乗らない可能性がある)ために多くの国民はぼんやりした感覚で「なんか高いな」としか思えないわけです。

もしも役員報酬が高すぎるというのであれば、電波が国民の共用物なのですから、役員報酬が高すぎる企業の電波使用料を高くするなどの措置も取れるのになぜか「高すぎる利益」がどこへ行ったのか知らされることはありません。

それでは国民は議論への参加のしようがありません。

この辺りが明確にならないまま通信料金の値下げだけが行われた場合、携帯事業者本体の報酬は維持されたまま、下請けがいじめられてコストが下げられ、下請けによる裏切りで個人情報の流出や国内通信網への外国のスパイの関与といった自体が起こる危険性があると思います。

 

 

理由その4:端末代金はどのように払うのか

最新のスマートフォンは端末価格が10万程度になります。

タッチパネルで操作する小さなパソコンなのですからまあそのくらいは仕方がないとは思います。

ではその料金はどのように払っているのでしょうか。

多くのキャリアではソフトバンクが開発した、

月賦払い+解約しない約束で月賦額を補助

という方式で端末代金を払うこととなっています。

月賦額の補助といえば聞こえは良いのですが、ゼロからお金が生まれてくるはずもなく、その補助の原資は当然通信料金なわけです。

日本の通信料金は言葉遊びで端末代金が上乗せされていないように感じさせる仕組みとなっていますが、実際は端末料金の月額が含まれた通信料金なわけで、海外と比較するのであれば、端末代金ぬきの通信料金だけで比べないと、比較対象としておかしいことになると思います。

 

 

 

理由その5:疑惑

利益の高さといえば、旧道路公団系の天下り企業は利益が高く、天下りに支払う報酬が高いことでよく議論の的になります。

ところがその仕組みを作った連中は東大卒の頭の良い連中であるために、頭の悪い国民が色々な文句を言い、議論をしたところで上手く切り抜けられてしまい、天下りに高額報酬を払う仕組みはずっと残されています。

これと同じように、携帯事業者も管轄する総務省天下りをもっと受け入れることで議論が収束するのではないかという疑念もあります。

ようは、菅官房長官の「携帯料金4割下げ」は「天下りの受け入れが少ない」という言葉の言い換えだった可能性があります(やり口は暴力団みかじめ料のようですが)。

 

 

 

色々書いてきましたが、私は携帯電話事業者の回し者ではありませんし、高級官僚の天下り制度に否定的な考えを持っているわけでもありません。

これまでに何度もマスコミをにぎわせた「日本の携帯電話通信費が高い」という話題について、じゃあ高い分のお金がどこに消えているのかがまったく論じられないまま、なんとなく貧乏人の僻みのような「大企業性悪説」みたいなフワっとした印象のまま議論が立ち消えになってきた歴史にもう辟易しているだけなのです。

今度こそは、「じゃあ高い分のお金がどこに消えているのか」が明らかになり、高いのはけしからんのか、高くても仕方ないのか、自分で判断できる状況になってくれることを望みます。